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独立行政法人国立病院機構三重中央医療センターの紹介
当院は、国立津病院と国立療養所静澄病院が統合されて国立三重中央病院として現在の地に開設され、昨年無事に10周年を迎えることができました。
最も大きな変化は、開設時には国立病院でしたが平成16年に国家公務員型ですが独立行政法人化され、病院名も三重中央医療センターと改称したことでしょう。
これにより企業会計の導入とともに145病院での機構組織下での独立運営となりました。
また平成13年8月にユニセフ・WHO認定 赤ちゃんにやさしい病院(母乳子育て推進)を受け、平成15年3月には三重県総合周産期母子医療センターの指定を受けています。
三重県における産科・小児の三次救急とも言うべき周産期医療の中心的医療を担うに至っています。
平成14年8月には地域がん診療拠点病院の指定施設を受けています。
その後3回の再指定を受けて今日に至っています。
統廃合以前(昭和58年より)私を始め呼吸器外科医師(当時は胸部外科医師)は、元国立療養所静澄病院において肺がん治療に積極的に取り組んできました。 同じ頃旧国立津病院においても呼吸器内科を専攻しようとする若い先生方の集団があり、彼らとともに研究会を行い、肺がんの早期発見・治療に取り組み始めました。 当時、一般的に肺がんの認識も薄く、受診も遅いため早期の患者さんを見つけることが少なく、又三重大学胸部外科とも連携して術後の再発患者さんを受け入れていた関係もあり、呼吸器外科医ながら化学療法、放射線療法など集学的治療に腐心しておりました。 平成10年7月統合・国立三重中央病院発足までに十数年がかかっています。 これまで肺がん患者さんは、当時と比べ約2倍に増加しましたが、多くの方々が肺がんで亡くなられました。 我々医師を始め医療従事者は多くのことを教えられてきました。 特に「がん告知の難しさ」とともに「個々人の死への不安・恐れへの問題」「死の問題=如何に生きるか」等々で今もって自問自答、患者さんとどう向き合っていくは、医療従事者の課題かと思います。
平成10年7月ようやく統合・国立三重中病院として発足しました。 病院の将来像を考えて、この時代三重県では臓器別専門性入院病棟はありませんでしたが、専門性を打ち出した臓器別病棟にし、外科系・内科系の垣根を払った診療を行えるようにしました。 肺がんのみならず、循環器内科・心血管外科、脳神経内科・同外科、消化器内科・外科、リュウマチ科・整形外科等々専門的臓器別治療での成果が上がりつつあります。 特にがん治療においては、集学的治療やチーム医療を行う上で有効であり現在に繋がっています。 平成18年6月には、「がん対策基本法」が策定され、平成19年4月より施行されました。 当院に於いては、特に肺がん、肝・胆・膵がん、消化器がん(胃がん、大腸がん)、婦人がん(子宮頸がん・体がん、卵巣がん)、乳がん、前立腺がん、腎がん、脳腫瘍、甲状腺がん等の固形がんに積極的に取り組んでいます。 平成20年12月には内視鏡室を消化器系と気道系に分けて何時でも対応、胃・大腸など内視鏡的手術治療も可能なように増改築し内視鏡センターとして機能させ、地域連携にも対応できるようにいたしましたので、ご利用いただければと考えます。
「がん対策基本法」においては、がん患者及び家族のQOLを考えて「初期から緩和医療」や「がん相談支援」が行えることをうたっています。 幸い当院では、各科専門(認定)医師と共にがん専門薬剤師、がん薬物療法認定薬剤師、がん性疼痛看護認定看護師、がん化学療法看護認定看護師、心理士、ケースワーカーがいることにより、栄養士も加えての組織横断的チームでの患者回診や症例検討会が行われ緩和医療が進められています。 がん(医療)相談に対してもそれぞれが対応し5〜600件/年間と増加しつつあります。 時間は9:00〜17:00迄 無料にて行っておりますのでご利用下さい。
予めの予約制ですが、がん医療の不安・疑問に対応できるようにセカンドオピニオン外来も行っています。 又、患者さんや家族がご希望される在宅医療等地域完結型医療のためには、ケースワーカーや退院調整看護師等と共に、最も良い方法を模索実行いたしておりますので、ご利用いただければ幸いです。
地域がん診療連携病院としてまだまだ多くのことに取り組んでいかなければなりませんが、確実に一日でも早く解決していけるよう努力してまいります。
(詳細につきましては、三重中央医療センターのホームページ(http://www.miechuo-hosp.jp)をご覧いただきますよう、お願い申し上げます)